宝仙学園小学校(東京都中野区)は1953年(昭和28年)に開校した私立小学校。建学の精神である「慈悲の心」のもと、知・情・意・体のバランスのとれた人間形成をめざし、「豊かな情操と高い学力を育むこと」を教育目標としています。「豊かな情操」を育むために、自然体験や勤労体験など多彩な校外学習を実施。また、「高い学力」を身につけるためには、教科担任制や習熟度別学習、放課後の補習など、独自の教育計画に基づいた様々な工夫が凝らされています。

 早くからIWB(Interactive White Board)や大型ディスプレイ、実物投影機を全教室に設置してきた同校では、現在160台のiPadが日々の学習で活用されています。今後は2020年度から実施される新学習指導要領を見据えて、さらに導入を進め、2019年度からは1人1台化を検討。校内では定期的にICT研修会を行い、ICT教育について研究を深め、先進的な取り組みにもチャレンジしている学校です。

6年生国語 「漢字の音を表す部分・意味を表す部分」

 6年生の国語の単元に「漢字の音を表す部分・意味を表す部分」があります。いくつかの漢字は、音を表す「音符」と呼ばれる部分と、意味を表す部分「部首」から成り立っているということを学ぶ時間です。国語科の加藤朋生先生は、「友だち同士をプロデュースし合う」という活動の中にこの学習を組み込み、子どもの主体的な学びにしようと考えました。

 この授業が行われたのは1学期最後の国語の時間。1学期の思い出を含め、友だちの良いところを再発見してほしいという狙いもありました。そのプロデュースの方法は、友だちの名前の漢字の一字一字に注目して、漢字の意味と友だちの特徴やエピソードを結び付けて表現しようというもの。

6年生国語科 加藤朋生先生
6年生国語科 加藤朋生先生

辞書アプリ「DONGRI」の活用

 加藤先生は、次のような効果に期待して、辞書アプリ「DONGRI」を活用しようと考えました。

① 調べる時間の短縮

 紙の辞書を使用した授業では、膨大な情報から必要な情報を見つけ出すのに時間がかかり、「調べる」という活動だけで授業が完結していた。「DONGRI」は調べたい語句を入力すれば、その説明を瞬時に表示してくれる。調べる時間が短縮すれば、「調べる」だけから一歩進んだ学習に発展させられる。

② 視認性が高く、協働的な学びに役立つ

 協働的な学びで大切なことは、情報や意見の交換をスムーズに行うこと。「DONGRI」を活用すれば、辞書の内容がiPadの画面で大きな文字で表示されるため、子ども同士で見せ合ったり、その内容を一緒に考えたりすることが容易になる。また「DONGRI」では漢字辞典が縦書きで表示されるため、黒板や教科書を使った授業にも違和感なく活用することができる。

教室での利用風景

「iPad×DONGRI」で名前の漢字を調べる

 加藤先生が漢字辞典で自分の名前を調べたところ、「力」が腕力を、「口」が言葉を表しており、「加」は「人の上に出る」という意味が込められた漢字であることが分かりました。「自分の名前にこんな意味があったなんて!」と加藤先生自身も驚く発見でした。次は子どもたちが調べる番です。

 今回の授業で使用した辞書は、学研の 「新レインボー小学漢字辞典 改訂第4版」。漢字の成り立ちから熟語の意味まで豊富に網羅した小学生向けの漢字辞典です。子どもたちはまずiPadで辞書アプリ「DONGRI」を起動。「DONGRI」の辞書一覧から「新レインボー小学漢字辞典」を選択し、グループを組んだ友だちの漢字を次々に調べ始めます。iPadを使い慣れている子どもたちは、「DONGRI」の操作方法を教わらなくても、次々に目当ての漢字の意味を調べていきます。

 「すごい!書き順が動画で見れるよ!」
 「この漢字にこんな意味があったんだ!」
 「○○君の漢字にはこんな意味があるんだよ!」
 「こっちにも見せて!」

教室での利用風景

 調べた内容を友だちと見せ合って、お互いの名前の漢字について楽しそうに話す子どもたち。紙の辞書で小さい字を見せ合うのは難しいですが、画面に大きく表示された字は視認性が高く、協働的な学習に適していることが分かります。

友だちの名刺を作成

 しばらくして、子どもたちは目当ての漢字を調べ終わり、その内容を各グループでホワイトボードにまとめました。次に先生は「MetaMoJi ClassRoom」を使ってそれぞれ友だちの名刺を作ってみようと提案します。調べた漢字の意味や友だちの特徴などをうまく組み合わせ、子どもたちは思い思いに友だちの名刺を作成しています。顔写真を撮影して上手にトリミングして貼りつけたり、絵を描いて漢字の意味を表現したり、使用するフォントや文字の大きさを変えたり、色を付けたりと、様々な工夫をして友だちをプロデュースしていきました。

 iPadとアプリを駆使し、各自が自由に表現していく様子はまさに「デジタルネイティブ」。完成した名刺を「ロイロノート・スクール」を使ってお互いに交換しあい、友だちの良いところを再発見する場となりました。授業はここで一旦終了となりましたが、子どもたちはまだまだ続けたい様子。休み時間になっても夢中で名刺の交換を続けていました。

教室での利用風景
自分で作成した名刺を交換し合う子どもたち

授業を終えて

 加藤先生は、授業を終えて「DONGRI」の利用を次のように振り返ります。
・「DONGRI」がとても使いやすかったため、子どもたちは興味を持続しながら学習を進めることができた。
・「DONGRI」の視認性の良さが、子どもが自発的に画面を見せ合って交流することに繋がった。紙の辞書を使っていたら、このような場面は起きなかっただろう。
・ 協働的な「学びの場づくり」に「DONGRI」が役立ったと考える。

 そう語る加藤先生の目には、より良い授業に向けた次のプランがもう浮かんでいるようでした。


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