活用事例01 : iPad辞書アプリ「DONGRI」 - 関西学院初等部

関西学院初等部(兵庫県宝塚市)は2008年開校の私立小学校。緑豊かな校庭、新しい校舎、充実した設備。子どもたちは、恵まれた環境の中で、伸び伸びと学校生活を送っています。同校は、2012年に1クラス分に相当する35台のiPadを導入するとともに、校内のWi-Fi環境を整備。授業支援アプリ「ロイロノートスクール」の活用をはじめ、熱心な先生方によってタブレットの有効活用が日々模索されています。

「関西学院初等部の素敵なところを、1年生に紹介する作文を書こう。」同校でICT活用に取り組んでいる小山廣司先生による、ロイロノートスクールを活用した3年生の国語の授業です。ロイロノートスクールでメモを作り作文の構想を練る。メモを並び替えながら作文の内容を整理する。友だちと画面を見せ合いながら、相談したり意見をもらったりする。そうしてできあがったメモを活用して、いよいよ作文へ。ICTを道具として活用しながら、友だち同士、そして上級生と下級生といった人と人とのかかわり合いを大切にする授業です。

そんな関西学院初等部で試験的に導入されたのが、辞書アプリ「DONGRI(ドングリ)」です。DONGRIが提供する19種類の辞書の中から同校が選んだのは、中学生用の英和・和英辞典「ジュニア・アンカー英和辞典・和英辞典」。なぜ初等部(小学校)で中学生用の英和・和英辞典が?その答えは、同校の英語指導の取り組みにあります。

「話す・聞く」を中心とした英語の時間

関西学院初等部では、「光の時間」と呼ばれる英語の授業が全学年で行われています。1・2学年では毎日20分、3学年から6学年は週に3時間が、この光の時間に割り当てられます。低学年から歌やゲームなどを通して英語特有の音声やリズムに慣れていきます。4年生には、関西学院大学で学ぶ海外からの留学生と交流する機会があります。児童2~3人に留学生1人の組み合わせで、留学生の自己紹介や出身国の紹介を聞いたり、初等部の児童が英語で自己紹介をしたり、学校紹介や案内をしたりします。

iPadは英語の時間で常時使われているのではなく、主にスピーキングの指導において活用されています。児童がお互いの発話を撮影して発音や内容をチェックしたり、教師が録画された児童の会話を確認したりといった使い方が中心です。

カナダへの修学旅行

「カナダ・コミュニケーション・ツアー」と呼ばれる修学旅行では、現地ネイティブスピーカーがグループリーダーになり、バンクーバーの街を英語を使って探検する活動、姉妹校の児童とペアを組んだ活動、ホストファミリーと過ごす時間などがあります。そのため、修学旅行の前には、現地での生活に必要な単語・フレーズの指導、ペアでの質問練習、場面を設定したグループでの会話練習などを行います。

カナダに着いてからの児童は、完全な英語でなくても、一生懸命単語をつなぎ、身振り手振りで自分の思いを伝えようとしたり、相手の話に笑顔でうなずいたりと、積極的にコミュニケーションを取ろうとします。「思っていたよりもコミュニケーションができた」「現地の人たちと仲良くなれた」という感想を持つ児童が多く、中には将来留学したいという思いを持つ児童も現れます。

ホストファミリーへのお礼の手紙

帰国した児童は、お世話になったホストファミリーに、英語でお礼のカードを書きます。この「英語を書く」活動に、今回初めてiPadと辞書アプリが活用されました。英語担当の植松知奈美先生は、辞書アプリの活用を次のように振り返ります。

「手紙を書く際に児童が困るのは、書きたい言葉の英単語・スペルが分からないことです。本校では通常2名の教師が光の時間(英語)の授業を担当していますが、1クラス30人に対して二人の教師では、なかなか児童一人一人の質問に答えることができません。辞書アプリがあれば、自分たちで調べて解決するできることが多いので便利でした。今後も使いたいと思っているようです。ただ、画面を操作して日本語を入力するのに慣れていない児童は、自分が探している英単語にたどり着くまでに時間がかかっていました。」

英語を「書く」学習を支える辞書

低学年から始まる豊富な英語学習の機会。現地の人々との交流がさらなる学習への動機づけとなるカナダへの修学旅行。帰国後の児童は、ホストファミリーへお礼のカードを送るため、進んで英語を書こうとします。そこで必要になったのが、「ジュニア・アンカー英和辞典・和英辞典」でした。

「辞書アプリがあれば自分でも調べられる。」児童が発したこの言葉は、私たちに大切なことを教えてくれます。それは、自ら進んで学ぼうとする能動的な学習のすばらしさと、辞書がそのような学びを支える大切な役割を担っていることです。

2020年度から順次始まる新学習指導要領の概要を示した中央教育審議会の「審議まとめ案」(2016年8月1日公開)には、従来の「話す・聞く」を中心とした外国語活動に、「読む・書く」の領域も加えて教科とする案が含まれています。「話す・聞く」中心の学習が、自然に「書く」学習につながっていく関西学院初等部の取り組みは、きっと将来多くの小学校のモデルとなることでしょう。

中央教育審議会の「審議まとめ案」(外国語科については12ページに記載あり)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3 /053/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/08/02/1375316_2
_1.pdf

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植松知奈美先生(左)と小山廣司先生

関西学院初等部

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