2002.12.20 14:00-16:00 JEPA
 たまたま紙だった2002 日本電子出版協会セミナー資料
イースト株式会社 下川和男
shimokawa@est.co.jp

 21世紀の最初の10年は、紙に印刷する出版からインターネット出版への大転換期となります。
 一昨年、ご好評いただきました「たまたま紙だった」の続編として、昨年の「たまたま紙だった2001」に加筆、修正する形で、今年何が起こったのか、そして来年どうなるのかについて、ご紹介します。
 ○:いい話、△:普通の話、●:悪い話  昨年のレポート「たまたま紙だった2001」

■■■消えた会社■■■
●レシプロカル
http://www.reciprocal.com
・ソフトバンク(US)系のDRM&コンテンツ配信会社(eBook、ゲームソフト、ソフトなど)
・2001年11月 事業を停止 100名以上の社員を解雇
・September 11に続く、米国株式市場の低迷であえなく倒産 ⇒ 誰も買えない!

●AOL TimeWarnerのiPublish
http://www.ipublish.com
・巨大企業GEのジャック・ウェルチ元会長の回顧録をeBookで出版
・出版社の機能をすべてインターネット上で実現 作家の発掘、企画、編集、出版、宣伝
・2001年1月 旗揚げ
・2001年12月末日 消滅 社員30名
※2002年12月 AOL広告収入激減、タイムワーナーの雑誌、映画、音楽コンテンツを提供
 「ピープル」「ヘルス」など複数の雑誌記事や、CNNの有料ニュース

●ePedia
http://www.epedia.co.jp
・EPWING辞書検索のイニューシステム社のベンチャー部門 資本金1億9千万円
・大学向け辞書図書館システムの開発と販売 販売を開始する前に倒産

●eBook.co.jp、IBS
・eBook.co.jpは電子書籍の制作、販売  IBSはXMLコンテンツの制作
・2000年フランクフルトに出展、12月2日に倒産
・XSL Formatterが世界的にヒットしているアンテナハウス社が再建を支援

●Seybold Report E-Book Zone
http://www.seyboldreports.com/ebooks/
・2002年2月にニュース配信とWeb更新を停止

△ネットライブラリー
http://www.netlibrary.com
・200点/日でデジタル化、ベンチャーキャピタルが1億ドルの投資、テキサス大学図書館から大量受注、Palm用の http://www.peanutpress.com が大ヒット、コンテンツ4万点を保管
・2001年11月倒産 ⇒ 学術情報最大手のOCLC(Online Computer Library Center)が購入

■■■読書端末■■■
●ジェムスター
http://www.ebook-gemstar.com
・2000年12月 華々しく登場 二種類で5万台を販売
・2000年1月 eBookメーカ2社を購入。 2000年12月、2001年3月に発売
・REB1100 モノクロ Half VGA、NuvoMedia社 Rocket Book
・REB1200 カラー VGA、SoftBook Press社 SoftBook
・Henry Yuenは、テレビ録画予約のGコードの発明者。彼の四度目の事業
・二度目は、テレビガイド社の買収。テレビ情報誌。毎週1000万部、3000万読者
・三度目は、EPG(電子テレビ番組表)。 日本では、電通、東京ニュース通信社と提携
・2001年10月 BOLと提携し、ドイツでの販売を開始 フランスでも
・2001年8月 200ドル分のeBookクーポン付き販売
・リード・イット・ファーストというプロジェクトを立ち上げ、大手出版社とタイアップして、ハードカバーを出す前にイーブックで販売する、という戦略を展開中。
・2002年、REB1100、1200の後継機を発売予定 $299/$699 ⇒ 半額に! ⇒ しなかった!
・事業を縮小し、Amazon、B&NでのeBook販売を中止。 機内誌でのカタログ販売などに切り替え。
・2002年11月 GemStarグループ全体を、News Corpに売却 Henry Yuenは辞職

●フランクリンのeBookMan
http://www.franklin.com
・2001年春販売開始 Palmと同サイズ。 モノクロ200x240ドット 130〜230ドル ⇒ 値下げ
・低価格のワケは、オリジナルRISCチップ、オリジナルOS、オリジナルAP
・米国の電子辞書デバイスのトップ・メーカー、辞書、聖書
・本を読む、朗読を聴く(Audible)、音楽を聴く、PIM(予定表、ToDo、電卓)、レコーダー
・読書ソフトはFranklin ReaderとMicrosoft Reader(eBookMan版)を用意
・コンテンツは、自社サイトからダウンロード販売
・2002年 販売を縮小

△東芝&EBIの見開き端末
・東芝の液晶技術 VGAx2 960x640 カラー、見開き二画面
・2001年4月の東京国際ブックフェアで一般公開、月刊アスキーの表紙を飾る
・EBI(イーブック イニシアティブ ジャパン)社が、マンガをデモ
⇒ 2003年、何かがおこる?

△ポケットPC
http://www.microsoft.com/japan/mobile/pocketpc
・Windows CE を使った、Palm対抗の胸ポケットに「押し込めば」入る、コンピュータ
・Quarter VGA 320x240、手書き認識、CFカード(P-inカード)でインターネット接続
・WindowsとWindows CEの違いはHDの有無 ⇒ 起動が早い、壊れにくい
・2001年10月 カシオ ラジェンダ 29,800円 USでは$199 他の半額
・HP、Compaq、カシオ、東芝、NEC、・・・ T-Timeをバンドル
・pdabook.jpなどから電子書籍をダウンロード販売
・2002年Windows CE.NET(CE 4.0)が登場 SVGA(800x600)以上をサポート
⇒Samsung NEXIO、DELL $199 Pocket PC、Intel XScaleチップを使用
 Comdex 2002レポート
http://www.est.co.jp/ks/tabi/0211cmdx/02device.htm

○タブレットPC
http://www.microsoft.com/japan/windowsxp/tabletpc/
http://www.tabletpc.jp
・2000年11月 Comdexで発表 Windows XPベースの板型コンピュータ
・2001年11月 Comdexで9社の試作機が登場 富士通、東芝、Compaq、Intel、ACERなど
・すべて、XGA(1024x768) ⇒ これなら本が読める 40文字×20行以上 1.5Kg 無線LAN標準搭載
・2002年11月登場 しかし、当面はシステム販売が中心
・パソコンの新しい使い方を提案する ⇒ 日本法人のデスクトップ製品売上、10%アップを目標
・でも、20万円台と高い! ⇒ 数年で価格差はなくなる。 全コンピュータの1/3はタブレット型に!

○スマート・ディスプレイ
http://www.microsoft.com/japan/windowsxp/smartdisplay/
・ディスプレイを板にしたもの タブレットPCはパソコンを板にしたもの タッチパネル
・ViewSonic、NEC、富士通などが製品化 10.4"$999、15"$1299 Windows XPがサーバとなる
・Windows XP Media Center Edition ユーザ・インタフェースは「キーボードとマウス」ではなく「リモコン」
 ホームサーバ用のOS  音楽や画像、映像を蓄積  テレビの録画

○SPOT Smart Personal Object Technology
・切手大の基板に、CPU、メモリ、無線LANを搭載 ⇒ どこでもインターネット
・家庭に100個のSPOT(=インターネットデバイス) 腕時計、目覚まし時計、冷蔵庫、・・・

○Estariの2-VU   旧Every Book社
・二画面ノートPC 15"×2=22"
・医療、CAD、弁護士、学生をターゲット フェニックス社と提携

△イーインク端末
http://www.eink.com
http://www.toppan.co.jp/aboutus/release/article474.html
・米国のベンチャー企業、イーインク社の表示技術を使った読書端末
・凸版印刷がイーインクと提携し、カラー化を担当 2002年2月 2500万ドル(30億円)投資
・ディスプレイはフリップスが量産体制に入る
・フランクフルトで、日系の某社が参考出品
・バックライト方式ではなく、一般の紙と同じように自然光で読む 文字や線の輪郭も鮮明で読みやすい
・電源を切っても映像が残るので消費電力が少ない、液晶より薄いなどの利点があるが、表示に多少の時間がかかる、今のところモノクロのみ、ということで、読書端末には最適な表示装置である。
※ミノルタの液晶技術も、同じ特徴

○電話つきPDA
・Nokia9290 Java電話 フタを開けると超小型パソコン
・Sprint Treo Palm電話
・T mobile PocketPC電話

■■■読書ソフト■■■
△アドビeBook Reader
http://www.adobe.co.jp/products/ebookreader
・待望の日本語版が、2001年10月ダウンロード開始
 縦書き、ルビ、外字、右綴じもサポート ⇒ PDFなので、当たり前
・中央公論新社、10daysbook(鬼太郎)、Nakata.Net、丸善(理科年表)
・米国では、アドビeBook Uが順調、大学教科書のダウンロード販売システム
・2001年9月、CE版でリフロー(テキストの流し込み)をサポート <=> PDFの思想には合わない
 しかし、同じコンテンツを異なる解像度で読むためにはやむを得ない
・2001年10月、ドイツ語、フランス語、スペイン語版のイーブック・リーダーを発表
・2002年 Acrobat ReaderがeBook機能を吸収できるか? ⇒ ダメ CE版、Palm版は? ⇒ ダメ
・2002年 Adobe Content Server 3.0を出荷 図書館機能つき

●Microsoft Reader
http://www.microsoft.com/reader
・2000年8月 v1.5ダウンロード開始 初日10万本 CE版をPC用に修正して提供
 書店はBN.com、2000年12月よりアマゾンも参入 無料書籍100点
・2001年10月 約束どおり、Windows XPの出荷に合わせて、ダウンロード開始
 書体やサイズの変更、リフロー、内部辞書、テキストの読み上げなどの機能を追加
・内部辞書: マイクロソフト・リーダーには辞書引き機能があって、現状では英英辞典が入っているが、これとは別に、個々の書籍単位に辞書を付属することができる。この辞書には注釈でも、対訳でも、コメントでも、URLでも入れられるので、紙の本とは違った奥ゆきを持たすことができる。
・ポケットPC版(Windows CE版)も同時に出荷
・ディック・ブラス副社長は担当からはずれる    Reader 3.0を日本語化する予定だったが・・・

△T-Time
http://www.voyager.co.jp
・.ttz、.html、.book縦書き読書ソフト。 日本のボイジャー社製。 早くからリフローに対応。
・文庫パブリで、角川書店、講談社、集英社、新潮社、文藝春秋などが採用
・2001年10月 ポケットPC対応版を提供開始

○EBIjブックリーダー
http://www.10daysbook.com
・画像系の読書ソフト  Adobe eBook Readerと同様、画面の回転機能あり 縦長表示

○NEC JPEG2000ビューア
 画面解像度、転送速度に合わせて、「それなりに表示」が可能
 ぱらぱらめくり、セグメンテーション(新聞、全体表示)

■■■イーブック書店■■■
○OreillyのSafariBooks
http://safari.oreilly.com
・2001年9月 ピアソンのテクノロジー・グループ(アディソン・ウェスレイ、プレンティス・ホール、キュー、サムス、アドビ・プレス)と共同のプロジェクト
・毎月10ドル。 年間100ドル インターネット上の技術書を読む。
・Microsoft Reader、Adobe eBookのようなダウンロード型ではなく、オンライン型
 コンテンツが一元管理されているので、改版や間違いの訂正も容易
・オライリーは、XML推進サイトxml.comなども運営、Unix関連書籍で台頭
・2002.12 1000点の品揃え

○新潮けいたい文庫
http://www.shinchosha.co.jp/keitaibunko/
・100円/月、連載小説、10000ユーザ

●アマゾン
http://www.amazon.com/ebook
・対応フォーマット:Microsoft Reader、Adobe eBook、PDF、Pocket PC
・e-Doccumentが好調 「本」ではなく、企業の調査レポート、白書など。 PDFが多い

●バーンス・アンド・ノーベル
http://ebooks.barnesandnoble.com
・対応フォーマット:Microsoft Redar、Adobe eBook、Pocket PC(Reader)、Tablet PC

△ライトニング・ソース
http://www.lightningsource.com

・米国大手取次イングラム社のeBook子会社
・eBookの保管、ダウンロード、オンデマンド出版を担当
・10万点以上のデジタルコンテンツを保管、今までに500万冊以上オンデマンド印刷

○凸版Bitway Books
http://books.bitway.ne.jp/index.cgi
 T-Time、Adobe eBook、PDFなど各種フォーマットでコンテンツを配信
 @Nifty、Biglobeなどのプロバイダーや検索エンジンと提携
 辞書サイトも充実 知恵蔵、現代用語、リーダーズ、カクテルレシピ、・・・

○DNP ウェッブの書斎
http://www.shosai.ne.jp
 デジタルデータ1700点、POD245点

○文庫パブリ
http://www.paburi.com
・出版社が自主運営する電子書籍のオンライン書店
 角川書店、講談社、光文社、集英社、新潮社、中央公論新社、徳間書店、文藝春秋+学習研究社、双葉社、祥伝社
・2001年6月2000点を突破 2002年12月4000点を突破予定。
・読書ソフトは半分以上がT-Time

△PDA Book
http://www.pdabook.jp
・ポケットPCなど、PDAデバイス専用のeBook書店
・Music.co.jpが運営
・対応フォーマット: T-Time(ドットブック)、テキスト、PDF、XMDF、ZIP
・2002年12月ドットブック1574点

△e文庫
http://www.ebunko.ne.jp
・平井和正(幻魔大戦、ウルフガイ)、横田順彌、豊田有恒、中島梓、林雅子(神の手)
・対応フォーマット: T-TimeとPDF

○10daysbook
http://www.10daysbook.com
・ゲゲゲの鬼太郎、ルパン三世、ドカベン、はだしのゲン、サイボーグ009、永島慎二
・2001年3月 韓国のマンガを販売
・2001年11月 「ホーキング、未来を語る」をeBookで先行販売
・2001年12月 鉄腕アトムなど手塚作品382点を発売
・2002年5月 北海道、岩見沢図書館に岩波文庫を提供 平凡社:東洋文庫も
・対応フォーマット: オリジナル(画像系)、Adobe eBook

○パピレス
http://www.papy.co.jp
・対応フォーマット: PDF、テキスト、Adobe eBookl、EBK、HTMLなど
・2001年12月約7500点 2002年12月9800点!

○Computer Wave
http://www.computerwave.co.jp
 ソフトウェア流通大手 2002年8月 eBookへの参入を表明
 カシス・リーダー So-net、コジマ、インプレスと提携 ソフトウェアのダウンロード販売+eBook

■■■海外出版社のイーブック対応■■■
△サイモン・アンド・シュースター
http://www.simonsays.com
・スティーブン・キング、スタートレック・シリーズなど
・対応フォーマット: Microsoft Reader、Adobe eBook

●ペンギン
http://www.penguin.co.uk/static/packages/uk/epenguin/
・2001年9月 イー・ペンギンというプロジェクト名で、200点を出版
・イギリスのピアソン系の大手出版社で、ペーパーバックスで有名
・ビルゲーツからヒットラーまで
・対応フォーマット: Microsoft Reader、Adobe eBook 価格は2〜5ポンド程度
・急ぐ必要はない DTP化(デジタル化)は完了している

■■■海外の面白いサイト■■■
○Cross ref
http://www.crossref.org
DOI(Digital Object Identifier)の参考文献バージョン 欧米の学術論文で採用
 間接リンク

○WaybackMachine
http://www.WaybackMachine.org
 Webサイトのアーカイブ 1996年に収集開始
 100テラバイト、1600サイトをコレクション
 www.nytimes.comwww.sfgate.comなどと入力すると、ニューヨークタイムズやサンフランシスコ・クロニクルの過去のWeb頁を閲覧可能。 9/11、12などは日に何度もトップ頁を入れ替えたことがわかる。

■■■メディア財閥■■■
・RandomHouse/Bertelsmann(独) 160億ドル
http://www.bertelsmann.com
 放送: RTL Group 独RTM、VOX、仏M6、英Channel 5、オランダRTL 4、ベルギー、ハンガリー
 出版: RandomHouse(米国) ⇒ Ballantine、Bantam Dell、Doubleday、Crown 辞書Webster
      Bertelsmann Springer(ドイツ) 70 PublishingHouse
 音楽: BMG ⇒ NapStar
 オンライン: BeCG(eCommerce Group) CDnow、BOL、Barnes&Noble.com、ドイツAOL

・Penguin/Pearson 30,000人、60ヶ国 (英)
http://www.pearson.com
 出版: Pearson Education ⇒ Printice Hall、Addison-Wesley、allyn&bacon/longman、
         Adobe Press、Cisco Press、Macmillan、QUE、SAMS
      The Penguin Group publishes ⇒ DK
 新聞: The Financial Times 
 通信: Reutersロイター通信社

・Vivendi/Universal (仏)
http://www.vivendiuniversal.com
 音楽: デッカ、グラモフォン、A&M、アイランド、ポリドール ⇒ MP3.com
 出版: Houghton Mifflin、Larousse、辞書系を集めている

・News Corp(豪) 7.6億ドル
http://www.newscorp.com
 出版: TVガイド、Harper Collins
 新聞: The Times、Sun、New York Post
 映画、放送: FOX、Sky、Star

・Viacom(米) 190億ドル
http://www.viacom.com
 出版: Simon & Schuster
 放送: CBS、MTV
 映画: Paramount、Blockbuster Video

・Thomson(加) 72億ドル
http://www.thomson.com
 売上の60%がオンラインでの売上 XMLはヘッドライト!
 新聞: 英、加、米の地方紙 多数
 特許情報: Derwent  http://www.derwent.co.jp
 金融情報:
 科学技術情報: ISI http://www.isinet.com/japan
 商標調査: Brandy http://www.brandy.co.jp

・AOL Time Warner 310億ドル
http://www.aoltimewarner.com
 出版: Time、Little Brown & Co., Book on the Month Club Timeのすべての雑誌をPDF化、広告が問題
 映画: Warner Bros.、New Line Cinema
 通信: America Online
 放送: Turner(CNN)

・Disney 240億ドル
http://disney.go.com/corporate/

■■■オンライン辞書■■■
○三省堂 e辞林
http://www.sanseido.net
 辞書16点 大辞林、新明解、英和、和英、独和、仏和、地名 2000円/年
 Asahi.com、infoseek、@Niftyなどと提携

○JapanKnowledge
http://www.japanknowledge.com
 ニッポニカ、英和、和英、現代用語、デジタル大事典、EOJ 1500円/月
 毎週更新 他社の辞書も串刺し検索

○GroveMusic
http://www.grovemusic.jp
 世界最大の音楽事典
 英語版はアイスランド、フィンランド、ジョージア州、カリフォルニア州と契約
 GroveMusic+GroveArtで2001年度の売上300万ポンド

○電子辞書は200万台
 カシオ、シャープ、SONY ⇒ 辞書の交換が可能に! インターネット・ダウンロード、メモリカード

■■■アジアの動き(本とコンピュータ、21世紀の出版文化シンポジウム2002年10月より)■■■
○中国
 国家図書館で行政府が指導して古典のデジタル化を推進 35万点
 広東省図書館で30万点を有償ダウンロードサービス
 中国科学技術研究所8000種類の雑誌をデジタル化
 民間の書店が活況、国営の書店は衰退(新華書店:9000店)  出版社はすべて国営:562社
 GBK(CJK20900字を包含)よりも大きな文字セットを策定中

○韓国
 書籍のXML化を推進  KSで策定  JepaXも参考にした eBookは3万点 コミックも多い
 ADSLの普及、ITベンチャーの台頭  XML2002でも韓国企業の活躍が目立つ

■■■XMLドキュメント技術■■■
○Xdocs
 XSD(XML Schema)ベースのXMLフォームツール 電子政府、企業内ドキュメント

○Office11
 マイクロソフトの次期バージョン WordもExcelもPPTもフルXML対応
 XSDに対応

○Tagged PDF
 PDFをXMLに?! PDF=ページレイアウト、XML=論理構造
 PDF内にタグを埋め込み、DRMや論理構造を表現 Adobe eBook

○NewsML
http://www.pressnet.or.jp/newsml/newsml.htm
 ロイター通信社が策定し、新聞協会が日本語化
 共同通信からの配信がスタート 2003年共同通信社内システムがNewsML化

■■■基盤技術■■■
○Webサービス(XMLとSOAP)
・2001年 インターネット第三世代へ B2Bの基礎技術 サーバ間で機械が会話
・第一世代 1980年代〜 電子メール、ftp
 第二世代 1993年〜  ブラウザー(Mosaic)、HTML
 第三世代 2001年〜  Webサービス、XML
・サーバが関数(機能)を持つ SOAPというプロトコルでこの機能を利用する
・辞書サーバ間連携(複数サイトの串刺し検索)、書誌情報のサーバ配信

○AmazonとGoogleのWebサービス
 2002年4月 Google Web APIを発表 実験:1000検索/日まで
 2002年7月 Amazon 動的なアフィリエートサイトが作れる

○無線LAN
 IEEE802.11bが主流 ⇒ 11a(54M、障害物に弱い)、11g(54M、11bと互換)
 スターバックス、マクドナルド、ルノアール、京浜急行、・・・ホットスポットが続々と出現

○メモリカード   CDを超えられるか
 スマートメディア、コンパクト・フラッシュ(CF)、メモリースティック
 マルチメディア・カード(MMC)、SDカード(セキュアー)
 デバイス単位のDRM(著作権保護=コピープロテクト)が可能

■■■2003年はどうなる■■■
◎読書端末元年!
 数社から、安価な読書端末が登場、タブレットPC、スマート・ディスプレイも市場に
 eBookは日本から世界へ
http://www.est.co.jp/ks/D/bookfair02/

○中国の電子教科書は?
13億3600万人 同世代1500万人 国が方針を出せば新しいものがすぐに広まる;携帯電話

◎Adobe Acrobat ReaderにeBook Readerが統合
 同じようなソフトを二個もダウンロードしてHDに入れる必要がなくなる
 誰もがeBook Readerを所有することになる

○Internet ExplorerにSVGとJPEG2000が入るか?
 SVGはベクターグラフィックスのXML仕様、Adobeが推進

○ホットスポットは広がるか

○ホームサーバやスマート・ディスプレイは売れるか、SPOTは?

from Dec. 25th 2002来訪者カウンター
Kazuo Shimokawa