Windows 2000 Conference & Expo 2000.02.15-17
 キーノート



会場となった、Bill Graham Civic Auditoriam (公会堂)

公会堂、近くに市庁舎やオペラハウス、
図書館などもある
入り口、右の垂幕は
SF Symphonyの
マイケル・T・トーマス
15、17日のキーノートおよび
プレスセンターもこの中にある



DELLのキーノート

 初日の朝と夕方に、DELLとCompaqのキーノートが行われた。朝9:00から、DELLのCEO、Michael Dell氏が登場した。テキサス大学の学生だった1884年の創業し、パソコンの直販で急成長した会社でFortune 500社のなかで最年少のCEOである。堂々とした体格で、自信に溢れている。

 彼のスピーチは、インターネット・ビジネスからはじまった。テレビの3倍、ラジオの10倍のスピードで普及していインターネットのコマース・サーバにDELLのサーバ・マシンPower Edgeが多数使われているとのこと。NASDAQNordstromMerrill Lynchmonster.comAmerican ExpressFordなどのビッグユーザをパネルで紹介し、Fordの担当者が壇上で挨拶した。

 Reliable、Scalable、Manageable、FlexibleをWindows 2000+DELL Power Edgeのキーワードとし、オンラインショップDELL.comで使用しているサーバを壇上に積み上げて、NTと2000でのパフォーマンス比較などを行った。Power Edge 8450(Pentium III Xeon 8cpu)と薄型の2450(Pentium III 700MHz 2cpu)にハードディスク・ユニットPower Vault200Sという構成である。このDELL.comのサーバ1台で、5万人のユーザを管理しているとのこと。

 100000人がこのサーバにアクセスするデモを行ったが、このデモ用クライアントソフトは、少し手を加えれば、今、全米に吹き荒れている、Yahoo!Amazon.comなどを攻撃している、サイバー・テロの武器に早変わりしてしまう。

 いくつか、Windows 2000の事例も紹介された。
 コーネル大学では、1月にWindows 2000を導入し(といっても、2月17日発売なので、もちろんβ版)、256台のサーバのクラスタリングを行っている。
 トロント教育委員会では、300,000ユーザ、600Webサイト、65,000デスクトップを3台のPower EdgeとWindows 2000で実現している。

 また、DELL.comを企業の購買システムとリンクするデモも行われた。マイクロソフトのBizTalk Server 2000を間に置いて、企業システムとDELL.com間でXMLデータを交換し、注文から納品までの流れと現在の処理状況を表示していた。「B to Bの真中にBizTalk」というわけである。この処理状況(トラッキング)表示は、Webの画面を注文処理の進行応じて自動更新しており、逐次ステータスが変更するのが面白かった。

 45分ほど話した後、一人で質問に答えていたが、この雰囲気が好きだ。日本だと、関連事業部長がずらりと並んで、さあ質問をどうぞ、となるのだが、すべてを把握しているので、一人で回答していた。
 Windows 2000 Data Center Serverは、64cpu??までサポートしているが、DELLはまだ8cpuだね。という意地悪な質問にも、「そのうち出すさ」とサラリと答えていた。

 1984年に会社を設立し、翌年出荷した最初のパソコンは、8088 8MHzとのこと。1991年にLatitudeを出し、1993年に日本支社を設立している。私は、1995年3月以来のLatitudeユーザであったが、昨年9月Think Padに乗り換えた。今、浮気中みたいなもので、近い将来、Inspironに戻る予定。

Fortune500社中、最年少CEOPowerEdgeのデモE-Businessの話が中心


Compaqのキーノート

 初日の夕方6:30から1時間、CompaqのキーノートはMichael D. Capellas氏という知らない人だった。 1999年7月にCEOになったとのことだが、96年にSAPに入り、97年はOracle、98年にはCompaqにCIO:Chief Information Officerで入ったという3年間で3回転職という華々しい経歴の持ち主である。

 スピーチは堂々としていて、動かないDellとは対照的に、ステージの隅から隅まで動きながら話をしていた。プレゼンテーションの才能には長けている。質問には、前列にずらりと並んだ責任者と分担しながら答えていた。

 社内で1800台のクライアントと300台のサーバがWindows 2000で稼動しており、完璧な体制での出荷と自信を持っていた。
 3200人のMCP、28000人のサービス・プロフェッショナル、1000人のWindows 2000 Architect(いったい何だろう、高級SEのことかな?) がいるとのこと。1993年にHustonのCompaq本社に行ったことがあるが、ハードウェアの製造会社なので、SEなんて一人もいなかった。おかしなと思ったら、ハッと気がついた。そうだ、Digitalを買収したんだ。DECなら、日本だけでも1000人くらいMCP:Microsoft Certified Professionalがいると思うのだが。それともたくさん引き抜かれて、残っていないのかな?

 Compaqは、大と小を紹介した。大は、NonStopとProLiant、小はiPAQである。ProLiantはeGenerationというテーマで、最高性能のサーバを目指している。現に、Windows 2000とSQL Server 2000を使用した、ベンチマーク・テストTPC-C(Transaction Processing Performance CouncilのC仕様での試験)で、227,079.15という最高性能を記録した。8cpu構成のProLiantを12台接続したもので、IBM RS 6000(AIX+Oracle 8)の135,815.7やSun Enterprise 6500 Cluster(Solaris+Oracle 8i)の135,461.40を大きく引き離している。
 CompaqのサーバはMicrosoft Networkの運用に使用されており、全世界1000万人のユーザを2000台のSQL Serverで運営しているとのこと。

 iPAQは、Windows 2000を搭載した「Internet Device」で、 Celeron 500、HD:4.3GB、RAM:64MBの最小構成で$499(ディスプレイ別売)と、低価格である。USB:Universal Serial Busが二つとヘッドフォンとマイクの穴が前面に空いている。UBS Onlyとカタログにあるのが面白い。展示会場で裏を見たが、確かに、RS-232CやCentronicsは付いていない。232Cもセントロも、20年前のパソコン創世記からの遺物で、なくなるのが遅いような気もする。2週間後に出荷するとのこと。

 iPAQは、Internet Deviceという言い方をしている。パソコンもインターネットから見れば、単なるデバイスである。NTTドコモのi-Modeも、Web TVも、iPAQも、みんなインターネット・デバイスである。

 Michael D. Capellasのキーノートは、Compaqのサイトで見ることができる。

Microsoftとのパートナー契約を強調Michael Capellas氏Internet "Device" iPAQ質問には担当者が回答


Bill Gates氏のキーノート

このポーズは変わらない強大なノートパソコンとナビゲータ役の
ピカード艦長(Patrick Stewart)
インターネットの進化

500台のクライアント各社のサーバー最後にサンタナ登場!


Kazuo Shimokawa [EAST Co., Ltd.]