Seybold Seminars 2000 2000.08.26-30
 「読書の未来」展


 San Jose(サンノゼ)は、Unitedのシャトル便も出ており、飛行機で行ってもおかしくない場所である。車ならハイウェイ101を飛ばせば1時間程度だが、列車だと時間がかかる。タクシーを利用する手もあるが、長距離は50%の割増となるので、200ドル近くかかってしまう。

 TheTech(The Tech Museum of Innovation)のホームページには、BARTを使って、サンフランシスコ湾の東岸をFremontまで行き、VTA高速バスでSan Joseに出る方法と、CatTrainの終点のSan Joseから6ブロック歩く道順が載っていた。
 CalTrainだと4th Streetの駅までバスで15分かかるので、BARTにしようかと思い、ホームページで時刻表を調べた。日曜の時間を含め、BARTも高速バスも詳細な時刻表が載っていた。BARTはその名の通り高速(Bay Area Rapit Transitの略)だが、バスの待ち時間やバスの時間を合計すると90分で、CalTrainと変わらない。ということで、乗り慣れているCalTrainで行くことにした。

 日曜日なのに6時半に起床し、7時半にホテルを出て、4th Streetの駅に向かった。6月に来た時に乗り遅れたので、気が焦る。何せ、休日スケジュールなので、8:00の次は10:00である。5分前に駅に着き、いつもの通り、売店の70歳は超えていると思われる厚化粧のおばあさんからコーヒーを買おうと思ったら、日曜日でお休み。でもしっかりコーヒーを持っている人がいたので、近くに売店でもあるのかと思ったら、乗務員で、駅員の控え室には立派なコーヒー・サーバが置いてあった。

CalTrainの構内
右にプラットフォーム
が延びている
8:00発のプラットフォームおばあさんのいる売店

 25分遅れで、San Joseに到着。ここから5ブロック東に歩き、1ブロック南に行けば、TheTechである。
 初めての土地で、地図がないので不安であるが、歩き始める。サンフランシスコやラスベガスとは違い、1ブロックが短いので、5ブロックを7、8分で歩き、ここかな?と思う大きなビルにぶつかった。

 駐車場の入口に、見慣れたAdobeマークがあり、Adobeも協賛の展示会と書いてあったので、ここだ、ここだと思い、高い建物を見上げたら、テッペンに大きなAdobeのロゴが輝いていた。
 これが、噂のAdobe本社のツインタワーである。数年前、Adobeに勤めている知人の小宮山くんから、「San Joseの大きなビルに引っ越しましたよ」と聞いていたのだが、それがコレである。全員、個室との事。

Adobe本社
下に駐車場のサイン
東館The Techから見たAdobe本社

 もう、1ブロック歩いて、TheTechに到着。
 館内は子供が多い。日曜日だからというだけではなく、展示自体が、子供向けの体験型博物館となっている。ロボット、医療、コンピュータ、半導体、インターネット、宇宙、海底などのテーマ毎に、若いボランティアの説明員兼指導員がいて、いろいろ体験でき、説明してくれる。

The Tech 円柱部分はiMax映画館入口チケット売り場

二階の一般展示、ロボットコーナー半導体の歴史温度センサー上の私
映画プレデターのよう
ネットワーク室も公開

 XFR(eXperimients in the Future of Reading)も、その名のとおり体験型の展示で、子供向きであった。
 12種類の展示があり、その詳細は、Web頁で紹介されている。(会期が9/7までなので、リンクが切れる恐れあり)
 GUI(MacやWindowsのグラフィック画面)やマウスによるオブジェクト指向操作を考案した、Xeroxのparc(Palo Alto Research Center)の展示なので、期待して往復3時間かけて行ったが、子供向けで少しガッカリした。

地下のXFR展示コーナー水のように傾けると流れる紙面▼をクリックすると他の
ストーリーが現れる画面

 下の、BGMを流す椅子は、ページを認識するのは立派だが、その色合いや構図に合った音楽を作曲(合成)しながら流すのではなく、録音されたBGMとなっている。
 マンガの部屋も、歩きながら、壁や地面のマンガを読んでいくだけで、何ということはない。この後、サンフランシスコに戻って入った、Yarba Buena Center of Artsの8面スクリーンの方が、迫力があった。観客は8面の2m四方のスクリーンに囲まれ、360度に様々な映像が映し出されるものである。

 この他、動く壁がスクリーンとなっており、読書の歴史を紹介するものや、読書のスピードを計れる運転席のような装置などがあった。

ページを認識しBGMを流す椅子マンガの部屋文章を読上げる犬

 そんな中で、いちばん面白かったのが、この「The Glyph-O-Scope」。細かな/と\の太さと位置だけで表現されモノクロ写真で、これを表示装置にかけると、コンピュータがパターンを認識し、そこに隠された映像が表示される。 デジタル画像の著作権管理手法などで有名なWatermarkの印刷への応用である。
 女性は骸骨が現れ、地球儀には地名が表示される。

読書速度測定器:アクセルを踏むと
単語の表示が高速になる
細かな/と\のみで構成された
写真
何の変哲もない地球儀も
コンピュータで読むと地名が現れる

 行きのCalTrainでは、日曜版の厚い新聞を眺めて90分を過ごしたが、帰りの12:00発の列車では、700mlのビールとツナ・サンドイッチで昼食をとった。
 車内を見渡して、誰も飲食していないので禁止かなと思い、改札のおばさんの目を隠れての食事であった。BARTには、大きく「飲食禁止」と書いてあるが、CalTrainは二人掛け席だし長い旅なので、OKだと思うのだが・・・
 ビールは、ロッキー山脈の水というふれこみのCools Light。700mlはちょっと多いが、美味かった。

Kazuo Shimokawa [EAST Co., Ltd.]