旅の記録 COMDEX Fall '98
 Linux & Be OS

 第二会場である、Sand's Expo and Convention Center(SECC)は、個人的には、見るべきものがほとんど無かった。以前はLVCCに陣取っていた、台湾、韓国系のパソコンメーカや部品メーカ、そして、各国のブースばかりである。台湾、韓国、香港、シンガポール、バングラデシュ、イギリス、ベルギー、ノルウェイ、スエーデンなどのパビリオンが広がっている。その中でも台湾は派手なディスプレイと出展企業の多さで人目を引いていた。お得意の画像系ソフトから、ケーブル類まで、雑多な商品があふれている。

 SECCの地下は、4、5年前に「Sand'sの地下は大騒ぎ」とレポートしたが、何でもありの大変にぎやかなブースであった。アダルト女優の撮影会(もちろんドレスを着ているが)あり、CreativeLab社の大音響ありで、非常に楽しかった。今でも、Creative社はここで踏ん張っている。
 Sand'sで立ち止まったのは、以下のLinuxパビリオン、Be OSなど数えるほどのブースであった。


Linuxパビリオン http://www.linux.org 

 昨年同様、Sand's Expo(SECC)の地下に、UCB(University of California Berkeley)で開発された、自作型Unixの走りである「Free BSD」普及の立役者であるWalnut Creek社(http://www.cdrom.com)の開発者向けCD-ROM売り場があり、その奥がLinuxパビリオンとなっている。しかし、パビリオンとは名ばかりで、Linux関連の会社が会社が、4列、各列4社程度のブロックがあるだけで、例えば同じSECCにある、USBパビリオンのような概要のパンフレットも解説パネルも存在しない。発展途上のOSであり、技術者あがりの経営者が多いせいか、反目すらあるような重苦しい雰囲気であった。それを、Linuxのトレードマークであるペンギンの縫いぐるみが、唯一、和らげていた。

 Linuxは、Free BSDの後継のOpen Source(プログラム・ソース公開)型、全員参加型の民主主義OSである。IntelとNetscapeが出資して話題になったRedHat社(http://www.redhat.com)や、Open LinuxのCaldera社(http://www.calderasystems.com)、S.u.S.E社(http://www.suse.com)などのLinux OS会社、ワープロ、表計算ソフトなどのApplix社(http://linux.applix.com)、Linux Journal(http://www.linuxjournal.com)を出版している、SSC社などが出展していた。日本にもAplix(http://www.aplix.co.jp)というJavaアプリ、CD-R製品、セガ・サターン用のブラウザー、凸版印刷のBitCashなどで有名なソフト会社があるが、pひとつ分、別会社である。

17日夕方のOracle Larry Ellisonのキーノートでも、Tシャツと一緒にOracle 8 for Linuxが配布されたし、往年データベースADABASもE10.0が動いている。Webサーバも、いちばん安く立ち上げようと思ったら、LinuxにWeb ServerソフトApache(http://www.apache.com)をいれるのが、真っ当な技術者?のやり方である。

 Microsoft社が、LinuxのOSとしての優位を認めたという、機密資料を転載したURLを記載した紙を配っていたが、ここでは、記載を省略する。

  


Be http://www.be.com

 Be OSがSECCに出展していた。昨年は、LVCCに部屋を借りて、招待者限定であったが、今年はパビリオン形式で、数社のパートナーも参加している。その中に、日本のぷらっとホーム社(http://www.plathome.co.jp)があった。Be社の国内総販売代理店とのことで、日本語入力対応のBe OS R4Jを展示していた。強力なマルチスレッドとマルチタスク機能と、64ビットファイルシステムにより、3Dグラフィックスやデジタル・オーディオ/ビデオに威力を発揮するとのこと。

 アプリケーションは、BeDepot.com社(http://www.bedepot.com)が、オンラインで入手できる。今更OSでもなかろうにと思うのだが、近頃のLinux騒動を考えると、

 Apple社でお一時、社長をしていた、Jean-Louis Gassee

Kazuo Shimokawa [EAST Co., Ltd.]