プレスリリース
2018/02/28

「たてよこWebアワード2017」受賞者決定! ~CSS Writing Modes を使用した優れた縦書きWebサイトを選出~

縦書きWeb普及委員会(正式名称:次世代Webブラウザのテキストレイアウトに関する検討会)が主催し、Webにおける縦書きの利用を普及促進させ、インターネット上のデザインや表現を多彩にするためにCSS Writing Modes Level 3(文字の方向(縦横)を指定するCSSモジュール)を利用したWebサイトを募集・選考する『たてよこWebアワード2017』の受賞作品を決定し、同Webサイトにて発表いたしました。

審査では、CSS Writing Modes を使用した縦書きと、クロスブラウザ環境で一定の完成度を実現していることを前提に、「デザイン性」、「有用性」、「新規性」、「技術力」を基準に、縦書きWeb普及検討委員会および外部審査員により採点の上、一つ一つの作品を議論しながら厳正に選考しました。

受賞結果


■総評: たてよこWebアワード2017 審査員長 中村 修

和風コンテンツに縦書き、明朝体を用いるデザインが定番となりつつある中、自治体のプロジェクトやコーポレートサイト、宿泊施設などで縦書きを使用した作品は、今後の良いお手本として横への広がりを期待できそうな完成度でした。多言語サイトでの縦書き使用は、CSS Writing Modesの普及という観点からもうれしい応募です。本や文学を扱ったコンテンツは縦書きとの親和性も高く、書棚風の見せ方、お気に入りのフレーズを投稿して作品の魅力を演出する工夫、読書ビューワーなどは、出版関係者の参考になるのではないでしょうか。プロの応募作品が多い中、一般の応募者も学生~60代と幅広く、縦書きWebの普及を実感できるアワードでした。 審査では、一つ一つの作品を議論しながら選考しました。専門領域の異なる審査員は、表現や美術面、技術面など多様な観点で評価しましたが、最終的には完成度や全体のバランス、縦書きWebの普及といった点に重きをおいた審査結果となりました。 ブラウザ間のギャップの違いを完全に埋めることは難しく、クロスブラウザでの完成度は難しいハードルだったと思いますが、これらの技術的な問題は主催者側の課題として今後もブラウザベンダーにフィードバックしたいと思います。 CSS Writing Modesは、近いうちに標準化が見込まれており、過去3回のアワードに応募してくださった全ての作品と、皆様からいただいた縦書きWebに対する想いや意義、ご指摘くださった課題は、CSS Writing Modesの標準化において非常に大きな貢献となりました。あらためて、ここに感謝を申し上げます。


■受賞作品

作品タイトル 制作者 作品URL
最優秀賞 まるまるまるもりプロジェクト RaNa extractive, inc. https://marumarumarumori.jp/
優秀賞 寒川神社 株式会社アクアリング http://samukawajinjya.jp/
優秀賞 岸本浩加 | 着付け師・小笠原流礼法講師 トライマンデザイン https://hirokakishimoto.jp
優秀賞 おびむらさき-九州の小京都、飫肥。お城のふもとで武士の生活を体験するように泊まる宿 株式会社プラスディー http://obimurasaki.jp/
優秀賞 50周年プロジェクト|亀田産業株式会社 RaNa extractive, inc. https://kamedasangyo.co.jp/special/
インターネット・アカデミー賞 寒川神社 株式会社アクアリング http://samukawajinjya.jp/
FONTPLUS賞 茶ッカソン 株式会社シフトブレイン https://chackathon.com/

最優秀賞
『まるまるまるもりプロジェクト』
制作者:RaNa extractive, inc.


■賞金・賞品

  • 最優秀賞:10万円、特製トロフィー(大)、FONTPLUS 300万PV/年、他
  • 優秀賞:2万円、特製トロフィー(小)、FONTPLUS 120万PV/年、他
  • インターネット・アカデミー賞:無料受講券(1講座1名)
  • FONTPLUS賞:FONTPLUS 300万PV/年

■「たてよこWebアワード2017」について

日本語の表現において「縦書きと横書きの選択肢がある」ということは極めて自然なことです。縦書きと横書きが混在する日本語の文字表現の文化をWebに継承し、自由な組版を実装するための技術をWeb標準にすべく縦書きWeb普及委員会(正式名称:次世代Webブラウザのテキストレイアウトに関する検討会)は、CSSの新たな組版規格であるWriting Modesを標準化するためにWebに関連する各種技術の国際的標準化団体であるW3Cにおける標準化活動を推進してきました。 『たてよこWebアワード』は、こうした取り組みの一環として、CSS Writing Modesを使用し、縦書き実装の普及促進に貢献するような優れたWebサイトを表彰することを目的としたアワードです。過去2回の開催では、受賞作品が実際に商用サービス化されるといった実績を生みだすことができました。


■縦書きWeb普及委員会について

縦書きWeb普及委員会(正式名称:次世代Webブラウザのテキストレイアウトに関する検討会)は、電子書籍端末メーカー、印刷事業社、通信事業者などの民間企業等により構成される組織で、Webにおける縦書きやルビ等の日本語固有の表現の実現に関し、国際標準化や普及促進に関する活動を行っています。

縦書きに代表される日本語固有のテキストレイアウトの表示機能がWebブラウザに実装され、端末に依らず縦書き表現が利用できるようにすることは、日本の文化である縦書き表現を継承し、世界に向けた日本語コンテンツの発信を維持・強化する観点から、非常に重要な事柄です。

Webに関する国際標準化団体であるW3Cでは、Webページの記述方式であるHTMLやCSS等の標準化作業が進められていますが、日本の雑誌や書籍等で表現される縦書きテキストレイアウトの表示機能についてもWebブラウザの基本機能となるよう標準化議論が進められています。
縦書きWeb普及委員会はW3Cでの標準化議論に日本から貢献を行うとともに、縦書き等の日本語固有の表現を利用したWebコンテンツの普及促進に取り組んでいます。

縦書きWeb普及委員会
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